一輪の花
ムーンライトニュース(72号)掲載の「まさじ音源探訪 その9」より。ニュースには収録曲一曲ずつの探訪記事も掲載されています。 < インタビューと文・竹本伸 >
満を持して制作された 15枚目のアルバム
2000年 8月にリリースされたこのアルバムは、前作「風のがっこう」から5年を経て発表された。 5年という期間は一人旅のスタイルを確立する「THE LIVE」 (1980.12) 〜「屋上のバンド」 (1988.5) の期間に次ぐ長い期間であるが、大塚さんはその間も彼のライフスタイルともなった一人旅を続けている。一方で、両親の死去、ゾウさん KURO さんの死去と、大切な人を相次いで亡くされたつらい時期でもあった。そうした 5年間の出来事を抱えながら、制作されたアルバムである。
一枚の絵を仕上げるように
大塚さんはいつも一枚の絵を仕上げるようにアルバムをつくっていく。どんな絵にしたいのか、そのトータルなイメージをふくらませながら、アルバムの構想を組み立てていくのだ。それは 1枚のアルバムに表現したいことを具体化するために「自分がこうあればいいということをつきつめる」という緻密な作業でもある。
今回は、タイトル曲の「一輪の花」ができることによって、この曲をメインに据えてアルバムの構想が組み立てられていった。また、このアルバムのために気心の知れたメンバーでバンドがつくられた。その名もずばり「 Single Flower Band 」。このメンバーと一緒に寝泊りしながら録音していったということも、このアルバムにとって重要な要素になっている。 ( その辺りの様子は田川さんのいつもながらの名文によるライナーノーツに詳しく書かれているので今一度お読みいただきたい )